3.11での「釜石の奇跡」
防災教育で成功した東日本大震災の津波ですごい成果を上げた事例があります。
それが、岩手県・釜石市で実地されていた防災教育です。防災教育の第一人者片田教授(群馬大学)による津波防災教育でした。
片田教授は、「『想定』にとらわれないこと、その場でできる最善をつくすこと、とにかく高いところへ逃げること」を繰り返し指導していました。
三陸地方は江戸時代の記録にも津波の襲来は何度も現れていました。また近代以降でも、明治29(1896)年、釜石沖を震源として東北太平洋沿岸を襲った明治三陸大津波では死者約2万2000人、同じく釜石沖を震源とした昭和8(1933)年の昭和三陸大津波でも多くの死者を出し、昭和35(1960)年にはチリ地震津波に襲われました。
釜石市では、三陸津波が近い将来必ず来るという危機感で防災教育をしていました。その結果、釜石市の約3000人の小中学生はほぼ全員が無事でした。中には中学生が小学生の手を引いて逃げ、日頃の訓練がしっかりと実践できていました。
(ある事例)
地震が起きた時、生徒は校庭に出てクラスごとに集まろうとしていた時、副校長が「とにかく避難場所に逃げろ!、点呼などとらなくていいから!」と指示をしてます!
釜石市の小中学生の生存率は99.8%です。これが「釜石の奇跡」と呼ばれています。
片田教授は8年間釜石市を指導してこられました。奇跡の影には日頃の訓練、特に『想定』外の事態を乗り越えるための考えと行動が子供たちに浸透した成果です。
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