スイスのすべての家庭に配れた『民間防衛』

永世中立国であるスイスはドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれた内陸に位置しています。第二次世界大戦のとき、ドイツのヒトラーがスイス侵略を諦めたという国家です。


そのスイスがすべての家庭に1冊配ているのが「民間防衛」というスイス政府編著のあらゆる危険から身を護るためのガイドブック面と永世中立を守り抜くための国家・国民の決意と気迫を感じる一冊です。


内容は国家としての国民を護るための心構えのみならず国民の意識を鼓舞する記述もあります。その内容は戦争関連として侵略戦争、核・生物・化学兵器の攻撃から災害時にも対応のみならず国家が侵略された時のレジスタンス(抵抗活動)まで具体的な行動とそれを支える精神まで書かれています。


「全面戦争には全面防衛」という理念、有事の際は焦土作戦も辞さない毅然とした国家意思を表明しています。


国境の封鎖に失敗して外国の侵略を受けても、主要な一般道路には戦車の侵入を阻止するための障害物や、トーチカが常設し、2006年までは、家を建てる際には防空壕(核シェルター)の設置が義務づけられていました。


第二次世界大戦中のスイス空軍は、1907年のハーグ陸戦条約で定められた国際法上の「中立義務」を果たすため、領空侵犯する航空機があれば、連合国側・枢軸国側を問わず迎撃しています。


焦土作戦も辞さない悲壮な防衛努力の一方で、外国において武力行使をしない柔軟な外交政策は、現在も変わらず、決して武力行使をせず、PKOでは武器を用いない人道支援に徹しています。


『平和』や『自由』を維持し守り抜くには『代償』が必要であるとして政府のみならず国民への義務も徹底しています。各家庭に2週間分の備蓄を要請し、国家としては2年分の備蓄をしています。『民間防衛』の中には必要品が事細かにかかれています。例えば水も飲料水1人1日当たり2リットル、浄水剤、雑用のための水も1人1日当たり2リットルと記載されています。


護るべき価値をスイス政府は「自由」としています。他国からの自由が担保されて初めて民主主義体制や信仰、言論、出版などの自由も保障されます。


日本もある意味ではスイスと同じように平和国家を明記していますが、日本は全く武器を持たず、防衛も出来ない状態です。


スイスは今は平和ですが、常に「最悪の状態」、侵略は突然やってくると考えています。日本は常に『最高の状態」侵略するような国は周りにはない考えています。


防災の危機管理マニュアルにも役に立つスイスの『民間防衛」ですが、中国、韓国、北朝鮮の反日国家に囲まれ、侵略される危機が迫っている日本政府、日本人にとって参考とすべき精神や具体的な行動が「民間防衛」に書かれています。


「平和ボケ」の日本にとってスイス政府の出した「民間防衛」は一読する価値があると思います。


最後に英国の民間防衛研究所の機関紙には「第3次世界大戦が勃発しても生き残る国民はスイス人だけだろうし、彼らはまたそれに値する」と書かれています。

0コメント

  • 1000 / 1000